日々の診療
『日々の診療でこんなことがありました。』という日記感覚のブログ
目次
指が疼いて痛い!と電話をくださった患者さん
最近、指に関する病気のブログを書いていましたが、
先日、こんな患者さんがお越しになられました。
※ちょっと健側と患側の比較写真を撮れてないので少し分かりにくいと思います。
画像は右手人差し指です。ピンボケしててすみません。
予約のお電話を頂いたときに、指の第1関節が疼いて腫れていると聞いていたので
指の変形性関節症であるへバーデン結節かな?と思っていました。
診察の開始
患者さんがお越しになり、問診から開始。
外傷無し。2日前の夜中に突然、第1関節周辺がズキズキと疼きだした。
安静時も痛くて動かせないと訴えておられました。
元々、痛みに弱い方なのを知ってはいたのですが、どうも痛がり方がいつもと違っていました。
こちらとしては『そんなに痛いんだ!』くらいに思っていたのですが、
外傷はないのに右指の第1関節だけでなく指全体がぼんやり腫れて、薄っすら赤くなっていました。
症状からの考察
電話をいただいた後はへバーデン結節だと思っていたのですが、
①外傷は無し
②へバーデン結節にしては腫れが指全体に及んでいたこと。
③痛みの場所は第1関節ではあるものの、第1関節以外も触ると痛がっていた。
④体温は平常。リウマチの既往・家族歴、痛風の既往無し。
骨折や緊急性の高い関節部の感染症ではないだろうと判断しました。
そして、どうもヘバーデン結節ではなく、石灰沈着ではないかと。
昔、務めていた整骨院に20代男性で同じような症状で親指の付け根に
石灰沈着を起こしてしまった方が来られた時に似ていたのを思い出しました。
アイシングをしながら、患者様には確定させるためにレントゲン撮影が必要だということを説明して、
整形外科に行ってもらいました。
結果とまとめ
結果、やはり石灰沈着でした。
でも、指の石灰沈着による炎症ってちょっと珍しいケースだと思います。
石灰沈着で代表的なものは「肩」
肩の石灰沈着性腱板炎という病気があります。
この手の石灰沈着による病気ならステロイドを注射してもらうと痛みがかなり軽減するのですが、
指の場合は腱の弱体化を招く恐れもあるためか(説明は無かったようです)、注射はしてもらえず。
痛み止めの内服薬の処方のみとなったようですが、あまり効果がなくアイシングが1番鎮痛効果を
感じられたようです。
自分が気付けたのは偶然もあるかと思いますが、過去に診ていた経験が活きたと思いました。