ダイエットについて
病院でお医者さんに『痩せなさい』と言われたことがありませんか?
体重と体の痛みの相関関係は少なからずあると思います。
しかし、それが全てというわけでもありません。例えば筋肉の量が多い人ほど体重は重くなります。
脂肪より筋肉の方が重いからボディービルダーはプールに入ると沈むって聞いたことありませんか?
要するに大切なのは自分の体重を支え、身体の円滑な動きを自分の筋肉でコントロール出来ているか。ということなんです。
無闇に体重を減らそうとしている方や、安易にダイエットをしようとして体が不調になってしまいがちな方、
今まで何度もダイエットに失敗している方やこれから始めようと思っている初心者に見ていただきたい内容です。
目次
- ○ ムリのないダイエットをするために
- ・消費カロリーと摂取カロリーについて
- ・まずは自分の消費カロリーを知ることから始める
- ・3大栄養素について
- ○ 間違ったダイエット
- ・なぜ食べないダイエットがダメなのか?
- ・なぜ食べないダイエットがリバウンドしてしまうのか?
- ・食べないダイエットは筋肉量を減らしてしまう
- ○ ダイエットに必要なこと
- ・0か100では続かない
- ・停滞してしまった。ダイエットに行き詰まったら。
- ・まとめ
ムリのないダイエットをするために
みなさんは感覚的、感情的に食べてしまっていませんか?
もしくはダイエット・減量で『食べないダイエット』をしていませんか?
ムリのないダイエットは『続けられる』ことが重要です。なので、我慢ばかりじゃ続かないですよね。
しかし、ムリのないダイエットについて守らなければならない原則があります。
これを無視してたら痩せられない。一時的に痩せてもリバウンドばかりか、体調を崩してしまうので注意が必要です。
また、体重計の数字にばかりとらわれて、体重が減った=痩せたと思っている方も多いと思います。
あなたの理想の体を思い描いてください。それに近づくために、まずは基本の食事から。
消費カロリーと摂取カロリーについて
消費カロリー > 摂取カロリー = 痩せる
消費カロリー < 摂取カロリー = 太る
当然の事ではありますが、この原則から外れると基本、痩せません。
消費カロリーって具体的になんだと思いますか?体を動かすこと?
それ以外にもこんな感じで分けられます。
① 基礎代謝 約60~70%:生きていくうえで勝手に体が
生命維持のために消費するエネルギー
② 生活活動代謝 約20~30%:歩く・座る・仕事をするなど、体を動かすことで
消費するエネルギー
③ 食事誘発性熱産生(DIT) 約10%:食後に体温の上昇が生じ、熱として消費するエネルギー
これら①~③を合わせて消費カロリーと言います。
もちろん、若年者よりも年配者の方が代謝が低くなりますが、③については知らなかった方もいると思います。
実はこの食事誘発性熱産生。うまく利用すれば痩せることにもつながります。
食事誘発性熱産生で消費する割合は栄養素の種類によって異なります。
たんぱく質のみを摂取したときは摂取エネルギーの約30%、
糖質のみの場合は約6%、
脂質のみの場合は約4%です。
通常の食事はこれらの混合なので約10%程度になります。
食事をした後、身体が暖かくなるのはこの食事誘発性熱産生によるものです。
加齢や運動不足で筋肉が衰えると、基礎代謝が低下するだけでなく食事誘発性熱産生も低下します。
逆に流動食だけを摂る場合に比べると、よく噛んで食べる方が食事誘発性熱産生は高くなるといわれています。
なので、1日の摂取カロリーを消費カロリーより低くするという原則は守りつつ、
タンパク質を多めに摂取することで、タンパク質の30%は安静にしていても消費される可能性があるわけです。
まずは自分の消費カロリーを知ることから始める
あなたは自分自身の1日の基礎代謝、1日の総消費カロリーってどれくらいか知っていますか?
ホームページから自分の基礎代謝や消費カロリーの概算が出来るようになっています。
是非、下記のリンク先から自分の消費カロリーを計算してみてください。
※リンクに飛べない方は下記の方法で計算してみてください。
ハリス・ベネディクト方程式(改良版)を使って基礎代謝量を計算しています。
男性: 13.397×体重kg+4.799×身長cm−5.677×年齢+88.362
女性: 9.247×体重kg+3.098×身長cm−4.33×年齢+447.593
3大栄養素について
人間の体を動かすエネルギーになる栄養素は糖質・脂質・タンパク質の3つのみです。
もちろん、ビタミン・ミネラルも体の中で糖質・脂質・タンパク質の分解・合成を助けたりするなど
体内での色んな代謝に関与することで、様々な生理機能の維持に関わっています。
そして体内でエネルギーとして利用されやすい順が
1:糖質
2:脂質
3:タンパク質
となっています。
ちなみに1gあたりのエネルギー量は糖質・タンパク質=4kcal、脂質は1gあたり9kcalです。
どれも余ったエネルギーは脂肪として貯えられてしまいます。
特に糖質は運動の前後にある程度まとめて食べた方が、脂肪に変えられる前に
筋肉の方に優先的に運ばれて消費されたり、グリコーゲンとして貯蔵されるため脂肪に変換されにくいです。
間違ったダイエット
多くの方が陥りやすい間違ったダイエット。
実はいろんな方の失敗例を見ていて分かるのが『食べない・食べる量を極端に減らす』ダイエットです。
多くの方が『食べない・食べる量を極端に減らす』という選択をするということは、
中々の本気度合いなのだと思いますが、はっきり言うとダメなダイエットです。
なぜなら『食べない』ということを続けることはできません。
実は気合い入れてやってるつもりが、実は食べないダイエットは失敗の最たるものです。
特に中高年の方もそうですが成長期の女の子たちに多く健康を害したり、
集中力の低下・無気力・倦怠感・生理不順など身体への悪影響が出ることがあるので注意が必要です。
なぜ食べないダイエットがダメなのか?
食べないダイエットや極端に食べる量を減らすダイエットがインターネット上にも転がっていますよね。
正直、言ってそれをビジネスにしている側の人間からすれば、顧客が言うとおりにすれば
『ほぼ確実に体重が落ちる=結果に結びつけられる』からです。
しかし、その後のリバウンドに関してはフォローなんて無料でしてくれないことが多いです。
リバウンドしてまた一定時期を置いて痩せたくなった人は顧客になる可能性があるからです。
『リバウンドしないようにフォローします』と謳っていても、
実際にはダイエットが終わったら食べてしまう人が多いのではないでしょうか?
そして食べないダイエットをした方はリバウンドしてしまうことは確実に起こるのです。
なぜ食べないダイエットがリバウンドしてしまうのか?
ヒトの体はお腹がすくと栄養を吸収しようとしています。
食事の間隔が広がりすぎることで、腸の栄養を吸収しようとする力は増加します。
なので食事を抜いてしまうことで食事を摂らない間隔が広がってしまうため、
上記のような吸収率が高くなってしまった状態を作ってしまいます。
そして次に食事を摂ったときに、特に炭水化物の摂取が急激に起こることで
血糖値の急上昇(血糖値スパイク)が起こってしまいます。
インスリンは聞いたことがある方も多いと思いますが、
インスリンの働きのひとつに血管内の糖やアミノ酸などを
細胞内に送ることで血糖値を下げます。
しかし、余剰分があれば実は脂肪の生成も促進します。
なので、血糖値の急上昇→インスリンの大量分泌→脂肪生成UP
となるため血糖値の急上昇は避けなければならないです。
トレーニングをする人はこの働きを最大限に利用するためにトレーニング前・中・後に
糖質を摂取することで脂肪の生成を防ぐことが出来ます。
簡単に言うと『甘いものが食べたくなったら、運動前・後に食べれば太りにくい』ということです。
食べないダイエットは筋肉量を減らしてしまう
食べないダイエットや極端に食べる量を減らすことで起こる体の変化に『糖新生』ということが起こります。
糖新生とは何かというと『タンパク質を分解してエネルギーになりやすい糖分を作り出す』ということです。
これはどういうことかと言うと、『筋肉を分解して糖を作り出してしまう=筋肉量が減る』
ということに繋がってしまいます。
筋肉量が減ると基礎代謝が落ちてしまい、エネルギーを消費しにくい低燃費な体になってしまいます。
筋肉は脂肪よりも同じ体積では重さが違います。
上の画像のように筋肉1㎏と脂肪1㎏では体積はこれほど違います。
また、脂肪1㎏の内訳は20%が水分。80%が脂肪です。
筋肉1Kgの内訳は80%が水分。20%がタンパク質です。
脂肪は油なので水と分離してしまうため、イメージしやすいと思いますが
タンパク質である筋肉は水分を貯えるという働きがあります。
余談ですが、高齢者が熱中症にかかり脱水状態に陥りやすい理由のひとつとして、
筋肉量が少ない=水分を保ちにくい
ということも要因となっています。
このように体には筋がとても大切だと分かっていただけたと思いますが、
その筋肉を減らすようなダイエットは非効率であることも分かってもらえたでしょうか?
エネルギーの消費量が増えず、痩せにくくなるのは当然ですよね。
ここまでで、食べないダイエット・極端に食べる量を減らすダイエットは良くないことを書きました。
では、どうすればムリの無いダイエットが実現できるかを書いていきます。
ダイエットに必要なこと
前述した内容もとても知識としては大切なことですが、ダイエットにおいて最も必要なこと…。
それは『続けること』です。
え?それだけ?と思われるかもしれませんが、
『食事の内容を気をつけることを続ける。運動を続ける。』ただそれだけです。
しかし、続けられない方がとても多いことをここまで読んだ方は知っているはずです。
実際にジムに入会してコンスタントに1年通う方は4%くらいと言われています。
100人中96人が脱落し、続けられないということです。
0か100では続かない
タイトルのとおり、ダイエット開始して
きっちりPFCバランスを考えて、デジタルスケールで食材の重さを測って食事を~…これ続きません!
(それが続けられる方もいらっしゃいますが…稀です。)
コンテストに出る方ならそこまでシビアにやる必要がありますが、健康的痩せることを目標にするなら
もっと大雑把でいいです。
①脂っこいものは控える。
②食べ過ぎたなら体を動かす
③体重計に乗って記録する
まずはこれくらいから始めてください。
①たまには飲み会なんかで飲んだり食べたりしたいですよね?
そんなときは食べたら良いです。そのかわり、翌日は食事内容を少し控えめにする。
それくらい。
②食べ過ぎたから翌日はジムに行ってトレーニング・・・そこまでしなくて良いです。
体を動かす気があるなら、自宅で自重トレーニングしてください。
わざわざ、ジムに行こうとする方が気合いが必要でしょう?
自宅でスクワット・腕立て伏せ・ディップス…何でも良いです。
それくらい。
『それくらい。』って書いてるけど、上記の内容でも難しいんだよ!という方は、
そもそもダイエットしない方が良いかもしれません。
③まずは長く続けることです。体重計の増減だけに一喜一憂してはいけません。
体重計に乗って、グラフが1カ月単位で右肩下がりになっていれば良い。
それくらいの気持ちで続けましょう!
停滞してしまった。ダイエットに行き詰まったら。
停滞期を抜けられない!それくらい続けられたら、その時には食事内容を見直したり
専門的な知識を持っている方に聞きましょう。
もし、自分で考えたいなら、前述したカロリー消費量を調べたり、
PFCバランスを考えたり運動の内容を見直してみましょう。
まずは根気よく続けることです。
まとめ
ダイエット初心者・今まで失敗してきた方に必要なことは『続けること』
①今の自分の食生活を見直す。
②脂質は控える。
③食べたら動く。
体重の増減だけに固執しない。
1カ月単位でグラフが右肩下がりならそれでOK!!
それでも1ヶ月、体重が停滞したらその時は食事内容・運動を見直す。
それくらいの大らかな気持ちで続けてください。