整骨院と接骨院って何が違うの?
街角や商店街などでよく目に入る整骨院。
ここ数年は整骨院の増加も止まり減少していますが、
『整骨院と接骨院』さらには『整体院や治療院』って何が違うの?と聞かれることが多々あります。
また、患者さんの中には違いを知らない方も数多くおられます。
そんな素朴な疑問になるべく分かりやすく、かつ詳しく説明します。
目次
- ○ これだけ見れば大丈夫!整骨院と接骨院の違いとは
- ○ 整骨院・接骨院以外にも使えるこんな名前
- ○ 整体院と整骨院の違い
- ○ 整骨院と整体院のどちらに通うべき?
- ○ そもそも整骨院の歴史は?
- ○ まとめ
これだけ見れば大丈夫!整骨院と接骨院の違いとは
結論を言うと単に呼び方の違いだけです。
実は整骨院と接骨院の違いはなく、どちらも柔道整復師という国家資格保持者が施術をしている施設になります。
柔道整復師は柔道整復師法という法律によって規定されます。
ちなみに柔道整復師になるためには最低3年間の柔道整復師養成学校に通い卒業資格を得て、
国家試験の受験資格を得ることが可能になります。
その国家資格に合格してはじめてスタートラインに立つことが可能になります。
近年では4年制大学も増加しています。
よって柔道整復師でも学士を取得する人も今後、増えてくるでしょう。
柔道整復師は総務省が定める日本標準職業分類では大分類:専門的・技術的職業従事者、
中分類:その他の保健医療従事者に分類されます。(下記リンク参照)
総務省 日本標準職業分類(平成21年12月統計基準設定) 分類項目名参照
整骨院・接骨院以外にも使えるこんな名前
実は柔道整復師が整骨院・接骨院以外に使える院の名称があります。
柔道整復師が使用できる院の名称は『整骨院・接骨院・ほねつぎ・柔道整復院』が使用を認められています。
実は厳密には整骨院は微妙だそうです。
現在『整骨院』の名称が使用できる旨の明記された文章はないが、
患者に分かりやすい名称ということで各都道府県にまかせているとのことです。
なので、既に整骨院という名称が広まっていることや、認知されているということで認められています。
逆に使用できない名称は『○○医院、〇〇クリニック、〇〇科』など医科を連想させ、
混同させてしまう可能性のあるものについても法律で禁止されています。
整体院と整骨院の違い
整骨院と接骨院については説明しました。
では、よく聞く整体師・整体院ってなに?というお話です。
実は整体院は柔道整復師の免許を持っていなくても運営できます。
極端に言うと、今このブログを見てくださっているあなたが明日から開業することも不可能ではありません。
特に開設にあたって面積や採光、換気など保健所に書類を提出したり、検査もないため比較的自由に決めることが可能です。
整骨院と整体院の業務の違いは『健康保険が適応する施術が受けられるかどうか』です。
健康保険が適応するためには条件があります。
柔道整復師は急性外傷の治療にのみ健康保険を適応した施術が可能です。(急性とは受傷後おおむね1ヶ月以内)
転んで手をついた・足首をひねった・立ち上がるときに急に腰が痛くなった等、理由がある急性のケガには健康保険が適応されます。
一方、整体院は健康保険を使用した施術が受けられないので、全て自費扱いになってしまいます。
ちなみに整体師・柔道整復師という職業を厚生労働省管轄のJob Tagという職業情報提供サイトで調べてみると
整体師という職業では検索に引っかかるものはありませんでした。
整骨院と整体院のどちらに通うべき?
これは個人的な意見にもなるので、『こういう考え方もある』という程度にとどめておいてください。
結論をいうと私個人的な考えでは『どちらでも良い』と思っています。
良い先生・良い治療家はどちらにもおられます。
以前は整骨院に通う方が良いという意見も多かったと思います。
特に私たちの同業者が敬遠していた理由は後述する『国家資格は一定の知識や技術の水準を担保するというものだから。』
というものでした。
ですが、最近では柔道整復師の免許を持ちながらも整骨院を開院せず整体院を開院される先生もおられます。
その理由は様々ですが、健康保険の施術だとどうしても施術時間や内容に限界が出てしまい、
かえって質の高い治療や時間の縛りが出てしまい、それが整骨院経営の足かせになってしまう可能性があるためです。
前述のとおり柔道整復師は国家資格なので保有者は一定レベルの専門知識を担保するという指標にはなります。
しかし、それと治療技術の差は別問題です。
例えると国家資格である普通自動車免許を取ったばかりのドライバーと
公道は走ったこと無いけどサーキットで車を走らせていたドライバーとでは車を運転するという技術については
雲泥の差があるのはお分かりになると思います。
なので整体院で柔道整復師の免許を持っておられなくても、免許保持者以上の知識を有し
治療技術を昇華させておられる先生もいるはずなので、一概にどちらが良いとは言えません。
特に近年では自ら解剖学や生理学など人体について学ぼうと思えば、いくらでも学べますし
論文も検索することが可能になっています。
私が整骨院や整体院を選ぶうえで、自分に合う治療を提供してくださる先生に出会うことが大切かと思います。
そこは受け手である患者さんのフィーリングで良いと思います。
そもそも整骨院の歴史は?
元々、柔道の活法が元となり生まれたと言われています。
私自身、小学生の頃から柔道教室に通い高校卒業まで柔道部に所属していましたが、
確かに柔道では実際に骨折や脱臼、捻挫などの外傷が多く肩の脱臼、鎖骨骨折、足の指の骨折など多くのケガを見てきました。
幸いにも私自身は大きなケガを負うことはありませんでしたが、
打撲などは日常茶飯事でした。
そんなこともあり昔は柔道場と接骨院がセットになっていたところも多いようです。
そして、今は当たり前に見かける整形外科は医学の中でも歴史としては浅い方で、
20~30年前はもっと少なく今ほど整形外科の看板を見ることはありませんでした。
なので、整形外科が市井に広まるまでは外科の先生が骨折や脱臼の手術や治療も請け負っておられたようです。
当時の柔道整復師は外科手術が必要のない軽傷の患者さんの処置や、骨折・脱臼の応急処置を担っていたようです。
まとめ
▷ 整骨院も接骨院も柔道整復師免許という国家資格保持者が施術にあたっている。
▷ 整体院と整骨院は免許を持っているか、持っていないかの違い。
▷ 整体院も整骨院もどちらも良い面があり、自分に合う先生を見つけることが大切。