朝起きたら首が・・・!もし寝違えになってしまったら。
寝違えとは起床時に首や肩、背中にかけて痛みが出ることをいいます。
酷いと首を動かすと痛みが出て、痛みが強すぎると首を動かせなくなってしまう場合もあります。
目次
- ○ 原因①:就寝中の不自然な姿勢
- ○ 原因②:寝返りが打ちにくい・打つ回数が少ない
- ・寝返りがうまく行かない原因
- ○ 原因③:首周囲の筋肉の疲労の蓄積・血行不良によるもの
- ○ 寝違えの症状
- ○ 寝違えの予防法
- ・寝間着・パジャマ
- ・敷き寝具・マット
- ・枕
- ・室温
- ・軽い運動やストレッチ
- ・泥酔状態で眠らない
- ○ まとめ
原因①:就寝中の不自然な姿勢
寝違えは睡眠中の不自然な姿勢によって首まわりや肩の筋肉や関節、靭帯に余分な負担がかかることが主な原因と考えられています。
長時間にわたり首の筋肉が圧迫・伸張されることによって血行が悪くなり筋肉などの組織がダメージを受けてしまい、それが原因となり痛みを引き起こす場合があります。
特に寝返りしたときなど上半身の動きに頭がついてこない状態で、
首を捻った状態が続くと筋肉は引っ張られる力がかかり続けてしまいます。
原因②:寝返りが打ちにくい・打つ回数が少ない
寝返りを行うことで圧迫されて血流が停滞している部分の血行を回復させる効果や、
身体にかかる負担を分散させる効果があります。
一般的に人は睡眠時に無意識に寝返りを打つことで身体に負担がかからない姿勢を自然にとろうとします。
寝返りが上手くできない状態だと血流が悪くなってしまったり、身体の一部分に長時間負担が掛かってしまったりすることが寝違えの原因になります。
寝返りが上手くいかない原因としては、
① 寝具が身体に合っていない
② 快適な姿勢がとれないほど就寝スペースが狭い
③ 疲労が極度に蓄積している場合や睡眠不足、泥酔している場合
④ うつ伏せ寝をしている方
寝返りがうまく行かない原因
① 寝具が身体に合っていない
枕が柔らかすぎるものや高さが合っていないものだと首まわりに負担をかけてしまいます。
枕だけでなく敷きマットなども柔らかすぎると体が沈んでしまい寝返りがしにくいことがあります。
あとパジャマを着ずにフリースなどゴワゴワした素材の服を着て寝ている方も寝返りがうちにくくなります。
② 快適な姿勢がとれないほど就寝スペースが狭い
例えば家族とくっついて寝ているなど、窮屈な環境で寝ていることなども要因のひとつになります。
③ 疲労が極度に蓄積している場合や睡眠不足、泥酔している場合
疲労が蓄積している場合や泥酔している場合は身体の感覚が鈍くなったりするため
寝返り後に不自然な体勢のまま寝続けてしまうので寝違えのリスクは高くなります。
④ うつ伏せ寝をしている
うつ伏せは顔だけ横に向けて重力で上から押さえつけられるような体勢になるため、
首に負荷がかかりやすくなります。
うつ伏せの状態からだと寝返りをしにくいだけでなく、左右どちらか一方に長時間にわたり顔を向けることになるので、寝違えが起こりやすいと言われています。
原因③:首周囲の筋肉の疲労の蓄積・血行不良によるもの
寝違えの主な原因は睡眠時の不自然な姿勢と考えられています。
しかしこれは直接的な原因であり、間接的には日頃の首まわりの筋肉への疲労の蓄積や
過度な緊張による筋肉の柔軟性・伸張性の低下という身体の不調が既にあったうえで寝違えが引き起こされているパターンも多いといわれています。
また血行不良の状態が続いていると筋肉は効率よく疲労回復ができなくなるばかりか、
筋肉が凝り固まってしまうことで寝返り等の身体の動きによって筋肉などを傷めやすくなる可能性もあります。
① 長時間の同じ姿勢を続ける
仕事で長時間にわたり運転しているドライバーや、デスクワークで机に向かっている方は要注意です。
同じ姿勢でいる時間が長いと筋肉が凝り固まりやすくなり寝違えの原因となります。
② 不良姿勢
一般的に頭は5kgくらいの重さがあるといわれており、それを重力に逆らって支える首や肩の筋肉には日頃より負担がかかっているので、疲労が蓄積しやすいといえます。
近年ではデスクワークでパソコンを使用している時や、
スマホを使っているとついつい背中を丸めて猫背になりがちです。
特に少し身をのり出すように顔を前に突き出すような姿勢は首にとても負担がかかります。
③ 激しい運動
慣れない激しいスポーツや重いものを運ぶ重労働など、日ごろは運動不足の人が
首や肩・腕の筋肉を酷使することで筋肉に疲労が溜まりやすくなります。
運動不足の方や重いものを持つ習慣がない方が急に重労働を行う方も筋肉に疲労が蓄積し、
寝違えを引き起こしやすくなります。
④ 冷え・ストレス
身体の冷えも寝違えの原因になることがあります。
冷たい風にあたることや寒い部屋にいることにより、寝ている間に首元を冷やしてしまうと首まわりの筋肉が緊張し、首に負担がかかりやすくなります。
春や秋といった季節の変わり目は寒暖の差が大きいので注意が必要です。
またストレスからも血行不良が起こることがあります。
ストレスにより交感神経が興奮することで血管が収縮し血流が悪くなってしまいます。
ストレスフルな状態だと心身をリラックスさせることができず、睡眠の質の低下をもたらすこともあります。
また睡眠不足の状態が続くと疲労を回復することができなくなるため、
疲労の蓄積により寝違えを引き起こしやすくしてしまいます。
以上が寝違えを起こしやすくする原因として考えられるものです。
意外にも自分が気をつけることで防ぐことが出来そうなものもあります。
健康的な生活を意識することが寝違えの予防にもつながります。
寝違えの症状
痛みによる首の運動制限が主体になります。
症状の強さはその日のうちに治ってしまうほど軽傷のものから、
数日間にわたり首を動かせなくなるほどの重傷まで様々です。
痛みは軽度なもの以外は通常、数日〜1週間程度で症状が消えることが多いです。
寝違えだと自己判断してなかなか痛みが引かず1週間以上続く場合は、
ひょっとすると寝違えではなく他の病気の可能性もあるので、早めに受診されることをお勧めします
寝違えの予防法
1:寝やすさ・寝返りのしやすさの向上
2:血流の改善・ストレスからの解放
3:柔軟性の向上
寝間着・パジャマ
寝返りのしやすさに大きく関係しているものが寝間着と敷き寝具だと思います。
サイズの合わないものを着用していると布団の中でだぶついてしまい、身体の動きが制限されてしまったり
逆に締めつけてしまい寝心地が悪化してしまう可能性もあります。
あまり気にかけていない方もおられるかも知れませんが、寝間着はちゃんと『寝る』という行為に適した
服装になっています。通気性・吸湿性が良く敷き寝具との摩擦が少ない素材のものが良いと思います。
高級パジャマの素材ってシルク(絹)のイメージがありませんか?
あれはシルク自体が柔らかく滑りがよいため、寝返りの際に敷き寝具との摩擦が少なく
寝返りがしやすいという点でも寝間着の素材として適していると考えられます。
敷き寝具・マット
敷き寝具が柔らかすぎる場合、体の重い部分が沈み込んで寝相が悪くなることや寝返りが打ちづらくなる場合があります。
逆に硬いと寝返りはしやすいですが、お尻・骨盤・肩甲骨・背中といった突出した部分で
体を支えることになるため、局所に力が集中して寝苦しく感じたり、寝返りのたびに体が痛くなることもあります。
以上より敷き寝具やマットは硬すぎず柔らかすぎず、適度な硬さで横になった時に自分の体にフィットするものを選びましょう。
枕
自分の体に合っていない高さの枕を使っていると首まわりに負荷がかかり、
違和感により寝相が不自然なものになる恐れがあります。
柔らかすぎるものや高さが低すぎる・高すぎるものだと、身体に掛かる負担が偏ってしまいます。
自分の体型に合った高さや安定感のあるものを使用すると良いでしょう。
枕の高さについては横向きになった際、枕に頭を乗せたときに頸椎が真っ直ぐになる高さが良いとされています。
また現在、高い枕を使用されている方で急に低い枕にすると、逆に肩や首に負荷が増大してしまう可能性もあります。
枕の高さを変えるときはバスタオルを折って、高さを調整し徐々に体に慣らしていくと良いでしょう。
室温
布団や衣類でも調節できますができるだけ適切な室温を保つようしましょう。
快適に過ごすことのできる推奨されている温度は、夏は25〜28℃程度、冬は18〜22℃程度とされています。
『まず、「28℃」という数値はあくまで目安です。必ず「28℃」でなければいけないということではなく、冷房時の外気温や湿度、「西日が入る」などの立地や空調施設の種類などの建物の状況、室内にいる方の体調等を考慮しながら、無理のない範囲で冷やし過ぎない室温管理の取組をお願いする上で、目安としているものです。
例えば、冷房の設定温度を28℃にしても、室内が必ずしも28℃になるとは限りません。そういう場合は、設定温度を下げることも考えられます。
「クールビズ」で呼び掛けている「室温28℃」は冷房の設定温度のことではありません。』(環境省ホームページより一部抜粋)
冬の室温に関しても夏同様、エアコンの温度は18~22℃が良いということではありませんので注意が必要です。
また、湿度は一年を通して50〜60%が適切としています。
また、暑い季節はエアコンや扇風機の冷風が直接身体に当たると体が冷えてしまうため極力避けるべきです。
軽い運動やストレッチ
長時間同じ姿勢を続けると筋肉が凝りやすくなり、寝違えの原因になり得ることは前述しました。
デスクワークの方や運転手の方は何時間も同じ姿勢でいるということが日常的になっているので、
仕事の合間に出来れば30分に1回程度は軽く肩や肩甲骨を動かすようにしましょう。
また、気がついた時に首や肩を回す・伸びをするなど、筋肉の血行の改善に努めるようにしましょう。
そして、日ごろの姿勢を見直しましょう。
正しい姿勢を維持することにより、首にかかる負荷を軽減させることができます。
泥酔状態で眠らない
お酒に酔った状態で眠ると身体の感覚が鈍くなっているため、寝返りがきちんとできず
身体に負担のかかる体勢のまま眠ってしまうことが多いためお酒に酔った時は
少し眠るのを待って酔いがさめてから眠ると良いです。
まとめ
寝違えの原因や症状、予防法を紹介しました。
寝違えは就寝時の姿勢だけではなく日頃の姿勢やストレス・筋肉自体の疲労が原因となることも多いとされています。
日頃からストレッチをしたり、入浴で身体を温めて血流を良くしたり、睡眠に適切な環境を整えることを意識しましょう。
寝違えは長引く可能性は低く、なかなか治らない場合は他の病気の可能性も考えられるので、
異常を感じたら整骨院や病院の先生に相談してみましょう。