成長期に起こるオスグッド病ってどんな病気?
部活動やクラブなどでスポーツを頑張っているお子さんが膝の痛みを訴えていませんか?
子供の成長期の身体の痛みに成長痛と呼ばれる病気がありますが、なかでももっともポピュラーなオスグッド病という膝の背長痛があります。
ここではオスグッド病の症状や原因について紹介します。
目次
オスグッド病ってどんな病気?
オスグッド病と呼ばれていますが、正式には『オスグッド・シュラッター病』と名付けられています。
成長痛と言われていますが、骨端症と呼ばれる成長軟骨の異常を指す病態が『膝の脛骨粗面(けいこつそめん)で起こったもの』をオスグッド病といいます。
好発年齢:10~16歳(小学校高学年~中学生くらいに多い)の男の子に多い
好発スポーツ:サッカー・バスケットボール・ラグビー・バレーボールなど
膝に負担のかかるジャンプやダッシュ、ストップ&ゴーが多いスポーツに発生します。
オスグッド病の原因
上図のように太ももの前にある大腿四頭筋という筋肉が膝の運動に大きなはたらきをします。
この大腿四頭筋が脛骨粗面に付着し、その部分に引っ張るストレスがかかり炎症を起こしてしまいます。
サッカーやバスケットボールなどで膝を伸ばしたり、テニスなどでダッシュ中に急ブレーキをかけて
運動方向を切り替えたりを繰り返し行っていると、大腿四頭筋が膝蓋骨を介して付着している
脛骨の脛骨粗面という付着部に繰り返しストレスがかかります。
そして、脛骨粗面に炎症を起こし骨端軟骨の一部が剥離してしまうことで発症します。
オスグッド病はこの大腿四頭筋の柔軟性の低下や使いすぎが原因でも発症することが多いです。
考えられる理由として子供の骨は大人の骨とは異なり完全に硬化しておらず、柔らかい骨から硬い骨へと成長する過程にあります。
また骨の成長が筋肉や腱の成長よりも先行するので、骨の成長に筋肉の成長が追いつかない状態になっています。
そこに運動による過剰な負荷が加わることで、脛骨粗面部分に炎症を起こし痛みが発生すると考えられています。
オスグッド病の症状と治療
症状:膝が痛くて曲げられない・走っているときやそのあと疼く・
脛骨粗面を押さえると痛い・腫れと骨性の隆起がみられる・正座が出来ないetc.
上記のように多岐にわたる症状が出ますが、おおむね膝の運動に関与することがほとんどです。
しかし、炎症が強度になるとじっとしていても痛むこともあったり、剥離骨折になってしまう例もあります。
また他にも鑑別すべき疾患もあります。
子どもの成長期によくみられる痛みと軽視されることも多いですが、
治療せずに放置したり、我慢してスポーツをしていると大人になっても痛みが
治まらず後遺症をもたらすこともあります。
また我慢し続けてスポーツを続けた結果、膝蓋靭帯付着部が脛骨から剥がれてしまって、
剥離骨折になってしまったケースもあります。
治療:ストレッチ・アイシング・運動指導・物理療法etc.
まとめ
そうならないためには痛みや熱感・腫れなどがある場合は運動を休んで安静にすることが大切です。
『伸び盛りなのに大好きな部活を休むなんて!』と思われる親御さんがいらっしゃいます。
しかし、長い競技人生の一部の期間だと考えることも大切だと思います。
一昔前なら痛みをこらえてでも!という時もありましたが、現代ではそのような風潮は古い時代の遺物として
親御さんやスポーツ指導者が理解し、逆に無理しようとしている子どもを諭してあげることが大切だと考えます。
予後は心配しなくてもほとんどの人が骨端軟骨の成長の終了すると痛みが出ることはなくなりますが、
無理をすると成長期が終わってからも痛みが残ることがあるので、発症後は休息と適切なボディメンテナンスが必要です。