手首が痛い!女性に多い手首の腱鞘炎!
腱鞘炎は腱を包むトンネル(腱鞘)に炎症を起こした状態のことを指します。
腱鞘炎と聞いたことがある方も多く、広く認知されている病名です。
しかし、認知はされているものの詳細まで知る方はまだまだ少ないのが現状です。
このページでは手首の腱鞘炎について分かりやすく説明します。
目次
- ○ ドケルバン病(手首に起こる腱鞘炎)
- ・主な症状
- ・原因と病態
- ・診断と治療
- ・まとめ
ドケルバン病(手首に起こる腱鞘炎)
指や手首の使いすぎによって指の腱とそれを包むトンネル(腱鞘)との間で炎症を起こします。
特に女性に多くみられます。
また手や指を使う職業・スポーツなどをする人にも多くみられます。
解剖学的には手首の母指側にある腱鞘(手背第1コンパートメント)とそこを通過する腱に炎症が起こった状態を指します。
主な症状
腱鞘の部分で腱の動きがスムーズに動きにくくなり、手首の母指側が痛くなったり腫れたりします。
また母指を動かしたり、広げようとするとこの場所に強い痛みがはしります。
特に産後のお母さんは赤ちゃんの脇に手を通して、
抱き上げるときに手首に痛みを訴える方が非常に多いです。
なので、背中とお尻に手を通して抱えるようにすると手首に負担が掛かりにくくなるため
工夫してみてください。
原因と病態
妊娠や出産を契機に発症する方がいます。また更年期の女性に多く生じます。
他には手の使いすぎやスポーツや指を良く使う仕事の人にも多いのが特徴です。
母指の使いすぎによる過負荷や閉経後の女性にも多いことからホルモンに
原因があることが示唆されています。しかし、はっきりとした原因は分かっていません。
病態としては腱鞘が炎症を起こし肥厚することで、腱との摩擦が起こり滑走が悪くなり症状が悪化します。
特に原因となるのは短母指伸筋腱と長母指外転筋腱が包まれている腱鞘に炎症が起こり発症します。
診断と治療
フィンケルシュタイン テスト
上記の写真のように親指を握り込んで、小指側に手首を曲げたときに
強い痛みが手首に誘発されます。
治療方法は基本的に保存療法(手術をしない)により治癒を目指します。
①安静:場合によっては装具などで手首の使用を制限することがあります。
アイシングなどによる消炎鎮痛も効果が期待できます。
②投薬:病院では痛み止めや湿布薬が処方されることが多いです。
③注射:病院では症状が強度の物にステロイドの注射をされることがあります。
ただし、何度も注射すると腱が逆に傷んだり、切れたりする可能性があるため頻回にすることはありません。
④手術:上記の治療で改善が見られない場合や再発を繰り返す場合は病院で手術を行うこともあります。
一般的には腱が通っている腱鞘を切開して開く手術があります。
まとめ
手首の痛みも放置しておくと悪化の一途を辿ることもあります。
なので、早めの治療が大切です。
当院では手首だけでなく、上肢全体の動かし方や癖などをみて
改善するための治療計画を提供させていただきます。